この本については、税金を使って得られた情報を出版化した関係で、税金を無駄遣いさせておいて、出版化することで金儲けしているという類の受け取り方をされる方がいる。
しかし、質問主意書すら出さず、国政調査手段すら知らず満足に行使しない国会議員だらけである現状において、この本にまったく政治的価値がないと言い切れるのか。
この本は、内容は外務省ネタがほとんどだが、読み方によっては、凄いことが書いてある。政治家がまとめた奇書と分類して良い。
まず、議員一人にしては膨大な質問主意書件数であることだ。ある程度の調査能力、法律知識・読解力なければ質問のための論点整理に至らない。
そこで、世の大多数の人は、収監された無念を晴らし、自分を嵌めた外務省の人物に復讐する目的で膨大な質問主意書を出し発刊したであろうと、勘ぐることになる。
しかし、この本をよくよく読んでいくと、100%そうとは言い切れない箇所がある。鈴木宗男議員なりの義侠心というか正義感に従い、質問主意書提出を決断したと読み取れる記述もある。
意外にも外務官僚がタレコミしたことで鈴木宗男が質問主意書として提出、初めて明るみになった事案がある。
かくいう私も鈴木宗男がどういう人物か、鈴木宗男のある行為を通じて知っている。
維新政党新風時代の鈴木信行が、国政選挙で落選、落ち込んでいたことを見計らうように酒席に誘い、鈴木宗男が鈴木信行を慰労(奢った)との話を鈴木信行のブログで読んだことがある。
自民党の政治家でわざわざそんなことをする人はいるだろうか。
上述の本にて、鈴木宗男は、(外務省スキャンダルに関連した)質問主意書提出のきっかけについてかく述べている。
▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽
「外交は人」である。公務に影響を与えうる問題に限定して、私は不祥事に関する質問をしている。ちなみに私が質問をする契機となった不祥事やスキャンダルに関する情報の九割以上が、外務省内部から提供されたものだ。このこと自体、いかに現下の外務省の規律が緩み、外務官僚が相互に足の引き合いをしているかという証左である。もっとも私は、内部情報を提供する外務官僚の思惑どおりには動かない。提供された情報が事実である蓋然性が高く、かつ、国民の知る権利に適うと思われる場合にのみ、タレコミ情報を使わさせてもらうことにしている。ちなみにこれら不祥事、スキャンダルに対して答弁書では、「外務省においては確認されていない」といった類の逃げに終始しているが、むしろ、質問で外務官僚の悪行が文章になり、それが内閣法制局や各省事務次官の目に触れることに意味がある。それによる腐敗外務官僚に対する抑止効果を私は狙っている。質問主意書と答弁書のの全文は、それぞれ衆議院、参議院の公式ホームページに掲載されている。それにもかかわらず、私の質問主意書と答弁書だけをまとめて本にしたのは、そのことによって日本の官僚制度(特に外務省)の問題点と、日本外交の課題が浮き彫りになるからだ。
△△△ 引用終了 △△△
鈴木信行は鈴木宗男についてかく評している。
▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽
https://ameblo.jp/ishinsya/entry-11999779919.html
善悪は別にして、例え逮捕されても再選されてくる鈴木宗男氏の議員会館事務所が陳情者で賑やかなのは、頼りがいのある鈴木氏の仕事振りと、プラスアルファ彼の頼れるイメージがもたらす結果である。
△△△ 引用終了 △△△
先の選挙で自民党が議席を減らしたのは、裏金問題、岸田前政権の増税路線、石破首相の外見的に芳しくないイメージだけが原因ではない。有権者それぞれからの切実な要望処理を怠り、LGBT法案に賛成、増税路線にほとんど無抵抗、税収増の状況で減税実現に無関心だったことにある。
そのように情勢分析した結果として、自民党に対し、税務調査会を部会に格下げ、新たに減税・効率化部会新設を提言するのである。