ウクライナ紛争の実相

ウクライナ紛争の実相、歴史的経緯、そして、トランプとの会談でちゃぶ台返ししたゼレンスキーという人物が何者なのか、一体何を考えているのか、マスコミ報道だけではよくわからない。

最近読んだ中で、現時点では消化不良気味なため、とりあえず頭の隅に記憶する価値があると考える分析情報等を中心に(このテーマで後で何度も読み直すことを想定し)以下に整理することにした。

かなり長くなることご了承いただきたい。

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本稿の見出し

◆ CIAの極秘作戦とロシア軍事侵攻の関係
◆ ゼレンスキーの政敵の存在
◆ ウクライナ軍特殊部隊の正体
◆ 取引する人たち
◆ トランプ、ゼレンスキー会談の実相
◆ トランプ/ゼレンスキー会談パロディー版
◆ トランプによる露骨なロシア寄り姿勢の政治的意図
◆ 二つの選択肢 トランプ和平か領土回復まで戦争継続か

以下本文。

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◆ CIAの極秘作戦とロシア軍事侵攻の関係

ロシアによる軍事侵攻については、歴史家の視点で分析する必要有り?

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽   

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和七年(2025年)3月9日(日曜日)弐
         通巻第8687号 
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1947年から1989年の間に64件の米国の秘密政権転覆作戦
 ウクライナも「かれら」の目標だった
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 第二次世界大戦がおわり、世界秩序は米ソ二大支配と言われたものの秩序は安定しないまま、世界はずるずると生き延びてきた。
1947年以来、米国による諸外国の政権転覆作戦はおよそ100回行われたというのは政治学者リンジー・オルーク(ボストン大学準教授)だ。

彼女は、1947年から1989年の間に行われた64件の米国の秘密政権転覆作戦と6件の公然活動を実施したと書いた(オルーク准教授、『Covert Regime Change: America’s Secret Cold War』、本邦未訳)

「政権転覆作戦、就中、秘密裏に行われたものは、影響を受けた地域で長期にわたる不安定を招来し、内戦、人道危機につながることが多い」。
米国の政権転覆活動が収まることはなく、米国は長年にわたり、中南米で政情不安を引き起こし、「アラブの春」など中東を政治的混乱に巻き込み、欧州やアジア地域で「カラー革命」を扇動し、米高官が直接街頭に出て他国の反対派を支援した。
この『秘密政権転覆』が出版された1989年以降も、CIAがシリア、リビア、ウクライナ、ベネズエラ、その他多くの国に関与していた

中国はこうして一連の動きをアメリカの謀略と見立てる。
「冷戦終結後、米国はみだりに干渉主義を推し進め、頻繁に「カラー革命」を策動した。2003年末には、グルジア(ジョージア)のシェワルナゼ大統領(当時)を、議会選挙の「不正集計」を理由に辞任に追い込み、反シェワルナゼ派の指導者サアカシュヴィリ氏の大統領就任を支援した。これがいわゆる「バラ革命」だ。2004年10月には、ウクライナの大統領選でいわゆる「不正」スキャンダルをでっち上げ、ウクライナの若者の街頭デモを扇動し、ユシチェンコ氏の大統領就任を支援した。これがいわゆる「オレンジ革命」だ。そして2005年3月には、キルギスの
議会選挙において選挙結果に対する反体制派の抗議活動を扇動し、最終的に騒乱を引き起こし、アカエフ大統領を辞任に追い込んだ。これがいわゆる「チューリップ革命」だ」(『人民日報』日本語版。2022年7月21日)

2010年以降、米国は中東各国で「アラブの春」なる政治キャンペーンを支援した。フランス情報研究センターは「アラブの春は入念に画策された出来事であり、民衆への扇動、非政府組織(NGO)への物理的支援、メディアの操作、外交的圧力など、様々な手法は、いずれも共通している」と指摘する。


▼グローバリスト経済学者ジェフリー・サックスの発言

 2025年2月19日に欧州議会で開催された「平和の地政学」イベントでジェフリー・サックス教授が講演し、トランプとプーチンの対話の行く末を話した。
サックスは地域経済の研究を積み重ねて「臨床経済学」を提唱し、グローバリズム推進、中国擁護派として知られる。ファーウェイ擁護のキャンペーンを張ったときは、一斉に批判が起きた。このコロンビア大学教授には20冊近い著作があり、数冊が邦訳されている。

 サックスは過去36年間、東ヨーロッパ、旧ソ連、ロシア、ウクライナの出来事に自らが直接的に関係を持ち、とくに旧ソ連の迅速かつ過激な資本主義化を助言してきた世界的有名人だ。

1989年にはポーランド政府、1990年と1991年にはゴルバチョフ大統領の経済チーム顧問、1991年から1993年にはエリツィン大統領の経済チームの顧問、1993年から1994年にはウクライナのクチマ大統領の経済チームの顧問を務めた。
この間、ウクライナ戦争のみならず、1999年のセルビア、イラク、シリアを含む中東での戦争、スーダン、ソマリア、リビアを含むアフリカで戦争がおきたが「米国の政策がひどく誤った結果だ」とサックスは総括した。

 1994年にクリントン大統領がNATOの東方拡大に署名した。その四年前にベーカー国務長官がゴルバチョフと会談し「NATO は東方へは進まない」と約束していた。「NATO は 1 インチたりとも東に進まない」という合意が成立した。

その約束を平然と破ったのはアメリカである(というよりそれがリアルポリティックスだが)。
クリントンは「NATOをウクライナまで拡大する」と決定した。これは米国の「長期プロジェクト」となった。
1997年にズビグニュー・ブレジンスキーは 「大チェス盤」(中国語訳はあるが、本邦未薬)を執筆し、NATOの東方拡大について記述した。
この長期プロジェクトは1994年に本格的に始まり、おそらく昨日まで30年間、政府の政策は継続されてきた。

アメリカの考えは、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、ジョージアがすべて NATO に加盟し、黒海を封鎖してロシアを実質的に地域大国にすぎない無力化することで、ロシアの国際的地位を奪うというものだった。


▼ロシアだけが悪なのか?

 たとえば戦争を引き起こすにしても、軍事作戦には費用がかかる。装備、訓練、キャンプ、諜報などの資金は大国から来る。地元の反乱からは来ない。南スーダンは部族間の争いでスーダンを倒したのではない。スーダンを壊滅させるのは米国のプロジェクトだった。

NATO の拡大は 1999 年にハンガリー、ポーランド、チェコ共和国から始まりロシアは抗議したが、無駄だった。米国の長期プロジェクトなのだ。
2004 年に NATO 拡大の第二波が起こり、バルト三国、ルーマニア、ブルガリア、スロベニア、スロバキアの 7 か国が加わった。ウクライナ戦争以後はフィンランド、スウェーデンもNATO入りした。

ヴィクトル・ヤヌコビッチは2010年にウクライナの中立を掲げて大統領に選出された。ロシアはウクライナに領土的利益や計画を持っていなかった。ロシアが2010年に交渉していたのは、セヴァストポリ海軍基地の2042年までの25年間のリースだったのだ。

 しかし米国はヤヌコビッチを打倒するために舞台裏で積極的に暗躍した。とくにビクトリア・ヌーランド(前国務次官)と米国大使のジェフリー・ピアットが傍受した電話は誰もが知っている。


▼英米エスタブリッシュメントの策謀は一貫してきたのだが。。。

 ミンスク合意とは「東ウクライナのロシア語を話す住民たちの自治権と言語権を求めたものでしかなく、国連安全保障理事会で満場一致で支持された」(サックス教授)。
しかし、米国とウクライナは、この合意を履行せず、保証人だったドイツとフランスも当該合意を無視した。 

 ロシアの侵攻の目的は、NATOをウクライナから締め出すことである。
なぜウクライナは早期の段階で存在した和平交渉から離脱したのか? それは米国がそうするように指示したからだ。
そして2023年4月、ジョンソン英国首相(当時)をキエフに派遣して追い討ちをかけたからだとサックス教授は結語した。
ジョンソン英首相は戦争中のキエフを三回訪問し、ゼレンスキーを鼓舞した。ゼレンスキーはNATOの支援が永続的なものだと早合点してしまった。ジョンソンもバイデンも政界を去り、早急な停戦を唱えたトランプが目の前に現れた。

こうした米国エスタブリッシュメントの「長期プロジェクト」の“ちゃぶ台返し”を意図しているのがトランプである。
トランプ大統領戦争を終わらせることに合意する可能性が高い。

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◆ ゼレンスキーの政敵の存在

政敵を知れば、ウクライナというお国柄、ゼレンスキーが如何なる人物なのか見えてくる。

△△△ 引用終了 △△△

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和七年(2025年)3月11日(火曜日)弐
         通巻第8690号  
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 ウクライナ大統領選挙は65 v 30でゼレンスキー惨敗予測
  トランプ秘密チーム、キエフで反ゼレンスキー政治家と接触
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トランプ大統領の側近4人が、キエフを訪問し、ゼレンスキー大統領の「政敵」たちと秘密協議を行った。トランプ大統領の側近らは、ウクライナ野党の指導者ユリア・ティモシェンコ元首相、およびポロシェンコ前大統領らと会談した。

 戦争疲れと厭戦気分が蔓延し、汚職に対する国民の不満から、ゼレンスキーは票を失うだろうと国民の間では言われている。実際、世論調査での支持率は下がり続けてきた。トランプとの口げんかですこしは回復したが、選挙をおこなっての当選は難しいと判断される。
トランプは「ゼレンスキーは赤ん坊からキャンディを取り上げるように、バイデンからカネを巻き上げた」とし、「選挙のない独裁者」と非難し、ロシアと取引をしなければ、「長くは続かない」と攻撃してきた。

ウクライナの世論調査は別として英国の世論調査会社サーベイションが三月第一週に実施した世論調査では、44%が大統領選でゼレンスキー支持、次がポロシェンコ、ついで元陸軍司令官で現在はウクライナ駐英大使を務めるヴァレリー・ザルジニーとなった。
ポロシェンコ氏への支持はわずか10%。ティモシェンコは5.7%だった。

選挙が近未来に行われるだろうが、そのときはザルジニー元司令官が65%を獲得するだろうと欧米の専門筋は推測している。トランプチームは英国へも飛んで、ザルジニー駐英大使と面談したという情報もあるが、第一候補なのだから接触したに違いないだろう。

ウクライナの専門筋は、「彼らはまた、言葉は非常に穏やかではあるが、公の場でシグナルを送っている。しかし、彼らはトランプのゲームに参加する準備ができていることを示すために、独立した行動を示している」と分析する。
露骨な親欧米の態度はみせないが、行動でしめすということだろう。

米議会の大統領支持者らもゼレンスキー大統領に対する非難を続けている。共和党のリンジー・グラム上院議員は、ゼレンスキー大統領がトランプ大統領と同じ考え方をしない限り、ウクライナは「新しい人物を迎える必要がある」と示唆している。グラムといえば、親ウクライナの代表的議員である。つまり議会人も変節している。

ウクライナ国民の約4分の1、主に軍人とその親族は、ロシア軍がウクライナ全土から追い出されるまで戦争が続くことを望んでいるという。しかし、国民の3分の2は交渉を重視し、戦争の終結を望んでいるというのが世論調査の現況である。

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◆ ウクライナ軍特殊部隊の正体

日華事変時代のフライングタイガースみたいな英米の現役軍人が、衛星の位置情報を得て、ロシア国内の施設に、ドローン、ミサイルで攻撃している?

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田中宇の国際ニュース解説 無料版まぐまぐ 2025年3月9日 https://tanakanews.com/mail/

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★米欧同盟を機能停止したトランプ
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トランプ米大統領が、2月末のウクライナのゼレンスキー大統領との喧嘩を口実に、米欧同盟(NATO)を破壊している。これはトランプの隠れ多極主義の発露だ。
2月28日に米大統領府(ホワイトハウス)を訪問したゼレンスキーが、(はめられて)トランプやバンス副大統領と喧嘩してしまって追い出された後、トランプは、好戦的で和平を嫌うゼレンスキーにもう協力しないと言って、米国からウクライナへの支援の多くを停止した。

https://www.rt.com/news/613774-poland-us-military-aid-kiev/
Poland confirms US has suspended military aid to Ukraine

https://tass.com/world/1923033
Kiev could run out of Patriot missiles in few weeks

米軍がポーランドからウクライナに搬入していた兵器類の流れも3月4日から止まった。だが、最重要な点はそこでない。
最重要な打ち切りは、ウクライナ軍がミサイルや無人機、精密誘導弾などでロシア側を攻撃する際の標的設定で必ず使う軍事用GPS(衛星測位システム)の情報提供(諜報共有)の停止だった。トランプは、米軍の最高司令官として軍用GPSシステムを管理している。
トランプはゼレンスキーと喧嘩した後、ロシア本土を標的にする場合にGPSが使えないように設定(ログイン用の秘密鍵を更新)した。この新設定のキモは、軍用GPSを使えなくした「ロシア本土」の中に、ウクライナ開戦後にロシアに併合されたドンバスなど、ウクライナ東部(つまり戦場)の大半が含まれていることだった。
ウクライナ戦争の戦線の多くの地域で、兵器類の標的設定ができなくなり、ウクライナにある兵器の多くが使えなくなった。

https://theconservativetreehouse.com/blog/2025/03/06/president-trump-has-exposed-the-u-s-side-of-the-proxy-war-by-disabling-ukraine-access-to-u-s-missile-and-drone-targeting-systems/
Trump Exposes More Evidence Of Proxy War After Disabling Ukraine Access To U.S. Missile And Drone Systems

ゼレンスキーは昨夏、対露和解しろという米国などからの加圧を無効にして戦争長期化(とゼレンスキー自身の政治延命)するために、ロシア領のクルスクに侵攻し、占領している。ロシア側も、ウクライナ戦争の長期化は非米側に有利で、クルスク占領をやめない限り和解しないと言って和平を拒否できる。
しかし今、GPS使用不能で、クルスクのウクライナ軍は露側を攻撃できなくなり、露軍(や北朝鮮軍)が包囲網を狭め、占領された地域の64%を奪還した。ここは注目点だ。クルスクからウクライナ軍が敗退しない限り、停戦和平にならない。敗退すると、停戦和平の交渉が始まり得る。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/we-cant-stop-them-thousands-ukraine-troops-suddenly-face-encirclement-russias-kursk
'We Can't Stop Them' - Thousands Of Ukraine Troops Suddenly Face Encirclement In Russia's Kursk

ウクライナでは、米軍だけでなく英軍(特殊部隊など)がウクライナ軍を事実上指揮している。昔から、米国よりも英国の方がロシア敵視策の黒幕で、英軍は米軍の諜報システムを自由に使い、米露敵対の構造を扇動してきた。
トランプは今回、ウクライナ東部とロシア本土における米軍GPSの使用を停止したので、米軍やウクライナ軍だけでなく、英軍も、露側を標的にする攻撃をやれなくなった。

https://www.rt.com/news/613826-lavrov-us-intel-sharing-ukraine/
Lavrov weighs in on US decision to halt intel sharing with Ukraine

トランプの米国はゼレンスキーと喧嘩してウクライナ支援を打ち切ったが、それを受けて英国は、独仏などを招集し、米国抜きでゼレンスキーを支援し続ける新計画をぶち上げた。米国が抜けても、英国が主導してウクライナ戦争を続けられるかのように見えた。
実のところ、そうではなかった。英軍は、GPSなど軍事諜報を全面的に米国に頼っており、英軍が戦車部隊をウクライナに持っていっても、米軍GPSを使えないので大砲を撃てない。

https://www.rt.com/news/613764-us-bars-uk-sharing-intel-ukraine/
UK banned from sharing US intel with Ukraine

バンス副大統領は、大事な同盟相手であるはずの米国(トランプ)から離反し、やくざなゼレンスキーを支持して戦争を続けようとする英国を「勝てるはずない」と非難し、英上層部を激怒させたが、実のところ、バンスは正しかった。標的設定できない英軍は、勝てるはずがない。

https://www.msn.com/en-us/news/world/britain-can-t-help-ukraine-just-look-at-its-tank-force/ar-AA1AdYT4
Britain Can’t Help Ukraine - Just Look At Its Tank Force

https://ww.rt.com/news/613748-vance-random-country-comment/
Vance’s comment on troops in Ukraine sparks anger in UK

英国は戦後、米国の黒幕として機能することで安上がりに覇権維持してきた。トランプの返り咲きを最も恐れていたのは英国(とその傀儡たち)だった。英国系の懸念は現実になっている。
英国と対照的に、フランスはもっと愚直に、米国から自立したもう一つの覇権国を目指してきた。しだいに貧しくなるフランスにとって独自路線は重荷であり、世界(グローバリスト=英傀儡)から馬鹿にされてきたが、今回は意外な主役に躍り出ている。
フランスなどEUは、米国のGPSに対抗するガリレオなど独自の衛星測位システムを持っており、軍事用にも使える。フランスは今回、英国の提案に呼応し、ウクライナに自国製の戦闘機ミラージュを初めて送り込み、ウクライナ空軍が露軍と戦っている。

https://www.rt.com/russia/613864-ukraine-french-jets-combat/
Kiev claims first combat use of French jets

フランスは、戦闘機や測位システムなど独自の戦闘機能を使って、トランプが抜けた後の穴をとりあえず埋めている。
核保有国であるフランスのマクロン大統領は、ドイツなど他の欧州諸国をフランスの核の傘の下に入れることも提案し始めた。これは仏独など欧州勢が、トランプは欧州を米国の核の傘の下から追い出す(NATOを離脱する)のでないかと考えていることを意味している。
トランプは、世界的な(米中露の)核兵器の半減を提唱しており、その一環として欧州に配備した核を抜いていく(米国が核を半減してもフランスは減らさないとか?)。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/france-steps-military-intelligence-ukraine-after-us-halt
France Steps Up Its Military Intelligence To Ukraine After US Halt

https://libertarianinstitute.org/news/trump-everybody-should-get-rid-of-their-nuclear-weapons/
TRUMP: EVERYBODY SHOULD GET RID OF THEIR NUCLEAR WEAPONS

核兵器の面でも、英国は、米国の核搭載潜水艦の大西洋巡航システムの中に英国の寄港地を組み入れることで核保有国を名乗る、安上がりな同盟依存戦略をとっている。今回の延長で、米国が同盟機能の停止を拡大すると、いずれ英国の核兵器も使えなくなる。
これからの多極型世界の中で、英国は現状のままだと、米国から自立した単独の極として機能できないことがわかってきている(だから英国は近年AUKUSなどを作ってジタバタしていた)。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/macron-hawkish-anti-russia-rant-says-france-considering-expanding-nuclear-umbrella
Macron In Anti-Russia Rant Says France Considering Expanding Nuclear Umbrella To Europe

対照的にフランスは、米国(や中国)に比べてかなりショボいものの、ロシアや印度となら肩を並べられる欧州の「極」として機能するかもしれない。
特に、ドイツとの連携がうまくいき、ドイツが近年のようにリベラル化して自滅したがる傾向から離脱(右傾化)して復活できれば、独仏合わせた力量はかなりのものになる。

https://www.rt.com/russia/613867-eu-militarization-deep-concern-kremlin/
EU militarization a deep concern

とはいえ現状だと、仏独は間抜けで自滅的な英傀儡だ。仏独は、ロシアを敵視する必要などないのに、英国系の歪曲情報を積極的に軽信して露敵視している。大馬鹿。
ウクライナ開戦まで、ドイツはロシアと組んで経済発展していた。ロシアから天然ガスをパイプラインで安く買えることがドイツ経済の強さだった。フランスの伝統的な自立性も、反米親露な国家戦略に支えられていた。

https://www.politico.eu/article/europe-needs-defense-investment-spending-hundreds-billions-emmanuel-macron/
Macron: EU needs ‘hundreds of billions’ in defense spending as US pivots away

https://financialpost.com/pmn/business-pmn/europes-nightmare-is-here-they-have-to-fight-putin-without-the-us
Europe's nightmare is here: They have to fight Putin without the U.S

仏独の国益に沿った親露姿勢は、英国系(と隠れ多極派)がウクライナの露系住民を殺す挑発をやってウクライナを開戦させると同時に雲散霧消した。仏独は間抜けなロシア敵視を続け、軍事費を浪費し、エネルギー高騰で経済自滅した。
独仏は、この構図を打破しようとする合理的なトランプを敵視し、トランプの米国が欧州を見捨てるなら独仏英EUだけでウクライナを支援してロシアを打ち負かすのだと、いまだに不合理を突っ走っている。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/europes-rearm-plan-going-come-vast-cost-rabobank
Europe's 'ReArm' Plan "Is Going To Come At A Vast Cost"; Rabobank

米国が抜けた後の安保の穴を埋めるために、独仏は急いで軍事拡大するのだと言っている。ドイツは国債発行を急増し、過剰発行で金利上昇していく。合理的に考えて、無意味なロシア敵視をやめれば、今のままの軍事費で十分なのに、大馬鹿である。
独仏英EUの自滅を、プーチンが含み笑いしながら眺めている。トランプは、欧英を無視して勝手にロシアと和解していく。
独仏英は、英国系(と隠れ多極派)の歪曲情報である地球温暖化人為説も軽信して経済を自滅させている。まずは、この多重馬鹿を脱して目を覚ます必要がある。

https://www.zerohedge.com/market-recaps/futures-plunge-german-bond-rout-goes-global
Futures Plunge As German Bond Rout Goes Global

https://www.rt.com/russia/613813-kremlin-rubio-proxy-war/
Kremlin agrees with Washington’s assessment of Ukraine conflict

ウクライナ(や英仏)軍が戦えなくなり、ロシアとの停戦和平を望むようになっても、すんなり和平に進むとは限らない。プーチンは、停戦したいと言いつつ、付帯条件として、NATO諸国(英仏など)軍のウクライナからの完全撤退など、欧州勢が受け入れられない要求を出してくるからだ。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/trump-threatens-new-sanctions-tariffs-russia-get-table-its-too-late
Putin Said To Be "Ready To Agree" To Ceasefire... With Conditions That Are Unacceptable To Ukraine

和平したくない動きは欧州勢にもある。ロシアに隣接するバルト三国のリトアニアは3月6日、米国の欧州撤退で強まりそうなロシアの圧力に安上がりに対抗するため、クラスター爆弾禁止条約からの離脱を決めた。人道犯罪な兵器を使ってロシアと戦うんだと言っている。テロ組織と紙一重のリトアニア。リベラル(=全体主義)な欧州人の本性が見えている。

https://www.rt.com/russia/613845-lithuania-unbans-cluster-munitions/
EU state withdraws from cluster munitions treaty


△△△ 引用終了 △△△


◆ 取引する人たち

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和七年(2025年)3月6日(木曜日)
         通巻第8682号 
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 パナマ運河を取り戻せと叫んだトランプの流れが加速?
  米ファンドが香港のパナマ運営会社を228億ドルで買収
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パナマ運河をめぐって地政学的変動が起きた。
米最大のファンド「ブラックロック」主導のコンソーシアムが、香港のCKハチソン・ホールディングスの株90%を購入すると発表した。買収額は228億ドル(邦貨換算3兆4000億円)の破天荒な大型買収となる。

株式購入合意は、ブラックロックと子会社グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ、スイスのターミナル・インベストメント、メディテラニアン・シッピング社など。

トランプ大統領がパナマ運河をとり返すとした流れを受けて、米国はパナマ政府にたいし中国の影響力拡大を警告してきた。

単純な計算で言えばCKハチソンが「売り逃げ」的に財務的な利益を得る。しかし長期的にいえば米中対決のあらゆる利害関係の将来像を予見させる出来事、企業財務戦略の再考時代を迎えたとも言えるだろう。

香港が拠点のCKハチソン・ホールディング(長江和記)は23カ国で43の港湾を運営する。このニュースでCKハチソンの株価は22%の暴騰ぶりだった。

同社は香港最大財閥、李嘉誠が率いるコングロマリットで英国、ドイツ、メキシコ、オーストラリア、アルゼンチン、韓国を含む23カ国43の港を運営しており、パナマ運河の太平洋側と大西洋側にあるバルボア港とクリストバル港を2047年まで運営する契約を保有している。

トランプ大統領は、20世紀初頭に米国が建設し、1999年にパナマに引き渡された運河だが、米国籍船舶に対し「法外な料金」と同運河周辺における中国の影響力拡大への懸念を理由に、同運河の管理権を取り戻すと繰り返し主張してきた。

パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は、奪回などは論外、主権国家の尊厳を侮辱するものだとトランプを批判したが、中国との「一帯一路」協定は更新を拒否すると声明した。

     ☆○◎☆み◎☆◎○や○☆◎○ざ☆○◎☆き☆◎○☆  
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之聲
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(読者の声2)タッカーカールソンがリンジー・グラム上院議員の不思議な動きを看破
以下の観察は注目に値します。リンジー・グラム(共和党上院議員)は名ばかり共和党員(RINO)でDSの手先として知られている人物で大のウクライナ贔屓(と言うよりウクライナの腐敗取引、マネーロンダリング疑惑がもっとも濃い人物です。
ウクライナにここ数年で7~8回出かけて行った議員です(ポーランドまで飛行機、ポーランドから列車)。一体何が目的だったのか?( )は訳者注。

タッカーカールソン:2025年3月1日
https://x.com/TuckerCarlson/status/1895883813223354871
 昨日のゼレンスキー関連の記者会見で最もびっくりしたのはリンジー・グラム(上院議員)の反応だった。ゼレンスキーとは長年の友人関係の彼が1時間以内にゼレンスキーを非難する声明を出した。
これは単なる取引上の背信を超えるものだ。彼をスケープゴートにした(自分の身代わりに?)。リンジー・グラムは次に何が来るか分かっている。西洋諸国の暗黙の了解の下に過去3年間ウクライナ政府は驚くべき数の重大な犯罪行為を重ねてきた。
 ウクライナはアメリカの供給した兵器をブラックマーケットで5分の1の格安価格で販売してきた。これらの兵器は今や世界の犯罪者たちの手に渡っている。ハマス、メキシコの麻薬カルテル、シリアを乗っ取った勢力などだ。
 ウクライナにあるアメリカの生物研究所でウクライナが病原菌を使い何をやってきたかは神のみぞ知る状況だ。アメリカの諜報機関でさえもわからないと言う。
ウクライナ人は世界の様々な国で政治家の暗殺を手がけ、アメリカのジャーナリスト、欧州の国家元首の殺害を企ててきた。これらのことは全て事実であり、いずれかの時点で表に出てくる。(自分が咎められる前に)ゼレンスキーを非難しておいた方が良い、と考えたのかな。
(費府の飛行士)


△△△ 引用終了 △△△


◆ トランプ、ゼレンスキー会談の実相

記者がいた場面での会談、記者がいない場面での会談、二種類あったとする分析情報からみえてくることがある。

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田中宇の国際ニュース解説 無料版 2025年3月4日

https://tanakanews.com/

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★ゼレンスキーを騙し討ち
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2月28日のトランプとゼレンスキーの、記者団の前での口論は何だったのか。記者団がいない非公開の会談の場なら、各国首脳どうしがあの手の口論・激論・怒鳴り合いをするのはよくある。首脳たちは非公式の場で、それぞれの要求や世界観をぶつけ合って交渉し、時間内に何らかの結論を出し(平行線のままなら「有意義な意見交換をしました」とか)、怒鳴り合いなどしていないかのように平静を装って記者団の前に登場する。それが外交というものらしい。

https://responsiblestatecraft.org/zelensky/
Hard Truths About The Trump-Zelensky-Vance Oval Office Blow-Up

今回も、記者会見前の非公開の会談では怒鳴り合いの口論があったようだ。トランプは記者会見の冒頭で、それを示唆している。記者会見の前半は「外交」的に進んだが、後半、ロシアと戦争でなく外交するのが良いと述べたバンス副大統領の発言にゼレンスキーが口を挟んで疑問を呈し、そこから激論になった。

https://m.jpost.com/international/article-844178
'A proper slap down': Russian, world leaders respond to Trump, Zelensky’s tense exchange

ゼレンスキーは以前から米欧に対し、もっとウクライナを支援しないとダメだと傲慢に要求し続けてきた。米欧が巨額の軍事支援をしても(作戦を立てる米諜報界がわざと下手くそにやるので)ウクライナ軍は勝てず、ロシアと外交して停戦せざるを得なくなっても、ゼレンスキーはロシア敵視を続けて外交したがらなかった。
バンスは、ゼレンスキーが米欧に感謝もせず失礼な態度をとり続けていると、記者団の前で批判した。ゼレンスキーはトランプ政権の対露融和策を非難した。トランプは「惨敗しているウクライナを救うためにロシアと外交しているのに、それがわからないあんたは間違っている」と言い返した。

https://www.rt.com/news/613490-zelensky-trump-hostile-confrontation/
Zelensky’s meltdown in the Oval Office

ゼレンスキーはこの日、いつものTシャツを着て大統領府(ホワイトハウス)を訪れ、トランプからダメ出しされて着替えを命じられていた。ゼレンスキーはいつも態度も服装も失礼で、それが彼の外交様式だった。バイデン政権や英仏独は黙認してきたが、トランプは許さなかった(口実にしてゼレンスキーを成敗した)。
激論やダメ出しの末、トランプは、記者会見後に予定されていたゼレンスキーとの昼食会と、希土類利権の調印をとりやめ、ゼレンスキーを大統領府から追い出した。

https://revolver.news/2025/02/extremely-tense-exchange-at-white-house-between-zelensky-and-trump-vance-watch/
Extremely TENSE exchange at White House between Zelensky and Trump/Vance

この事件の後、トランプの側近たちや共和党議員の大半が、米国はもうウクライナを支援すべきでないと言い出した。マクロ・ルビオの国務省は、ウクライナへの支援を大幅減額した。諜報界(英国系)の傀儡でゼレンスキーを絶賛してきたリンゼー・グラム上院議員でさえもが、急に態度を変え、もうゼレンスキーを相手にすべきでないと言い出した。

https://www.rt.com/news/613550-nbc-zelensky-petulant-child-trump-spat/
White House sees Zelensky as ‘petulant child’ - NBC source

https://www.rt.com/news/613442-majority-republicans-hostile-zelensky/
Majority of US Republicans hostile to Zelensky

今回の口論で、米国が欧州を率いてロシアを敵視しウクライナを助けるというこれまでのウクライナ戦争の構図が崩れた。
トランプ就任から1か月、米国はロシアと仲直りして親しくなる一方、口論を口実にウクライナを切り捨て始めた。トランプは1期目からロシアとの和解を希求していたが、諜報界からロシアゲートの濡れ衣などを起こされて阻止された。2期目に入って1か月、トランプはロシアとの和解と、諜報界潰し(イーロン・マスクのDOGEなど)を見事に進めている。
米大統領府は、トランプとゼレンスキーが口論になったのは偶然の結果であり、意図したものでないと釈明している。しかし、あの口論は、トランプがかねてからやりたかった状況を、見事に作り出している。見る人が見れば「あれが偶然なわけないだろ」という話になる。

https://m.jpost.com/breaking-news/article-844184
Trump considers pausing all military aid to Ukraine after Zelensky meeting

以前は鋭かったが今はダメな米国の国際政治ブログ「アラバマの月」は、ウクライナの希土類利権を得る協定に調印しようとしていたトランプが、ゼレンスキーと口論してしまったばかりに利権獲得できなかった、そもそも強欲な利権あさりのトランプはウクライナに関して無計画だ、みたいな流れで分析している。
トランプが、いかにもトランプらしい利権あさりの演技をしたら、それをそのまま軽信している。平板な見方しかできなくなったアラバマの月。リベラル系。
(最近は、ソロス系のクインシー研究所の記事なども中身なし。すかたん。読んでるけど時間の無駄。ゼロヘッジもいまいちに)

https://www.moonofalabama.org/2025/02/the-guessing-game-over-trumps-real-aims-in-ukraine.html
The Guessing Game Over Trump's Real Aims In Ukraine

ウクライナの希土類利権をめぐる今回の話は、怪しい点が多い。ウクライナが埋蔵する希土類の過半は、ロシアが占領・併合したクリミアやドンバスにある。これらの地域は今後永久にロシア領だから、トランプが交渉すべき相手はゼレンスキーでなくプーチンだ。プーチンは最近仲良くなったトランプに、希土類の開発に米国勢も参加しなよと言っている。

https://www.bbc.com/news/articles/cn527pz54neo.amp
What we know about US-Ukraine minerals deal

ウクライナの希土類埋蔵の根拠はソ連時代の1960-80年代に行われた調査だ。埋蔵量が誇張されている可能性があり、採掘の採算性も無視されている。
ウクライナの土壌を研究してきた米国の地質学者(Tony Mariano)は、今のところ採算の取れる希土類が見つかっていないと結論づけている。
要するに、ウクライナの希土類開発はインチキな詐欺話だ。ここで「トランプは利権に目がくらみ、ゼレンスキーがちらつかせるインチキな希土類詐欺を信じ込んでいる馬鹿だ」と思う人々(マスコミとかアラバマの月)は、彼ら自身が超間抜け(もしくはリベラル派)だ。トランプは、ウクライナの希土類話の詐欺性をわかった上で、ゼレンスキーと騙し合いの政治劇をやっている。

https://www.spglobal.com/market-intelligence/en/news-insights/articles/2025/2/ukraine-rare-earths-potential-relies-on-soviet-assessments-may-not-be-viable-87318842
Ukraine rare earths potential relies on Soviet assessments, may not be viable

トランプは1期目から、米国の軍事費支出を、占領地の資源利権を強奪して穴埋めする策をやっていた。諜報界が「IS退治」の名目(自作自演)でシリアに米軍駐留することをトランプに強要した時、トランプはシリア東部(ISIS跋扈地域)の油田を米軍が占領して産出原油をイラクに搬出して米国が盗む話と抱き合わせることで了承した。
これを見ると確かに、トランプが資源強欲な感じはする。だが私から見ると、今回のウクライナでトランプは、この「資源強欲者」のイメージを逆手にとって、ゼレンスキーの希土類詐欺に乗せられている感じを演出している。

https://www.independent.co.uk/news/world/europe/ukraine-minerals-deal-trump-zelensky-rare-earth-russia-b2706541.html
What are Ukraine’s rare earth minerals, where are they and what will the deal with Trump involve?

ゼレンスキーは、トランプに希土類の利権をあげるから代わりに〇〇してくれ、と交渉するために訪米して大統領府まで来た。〇〇に入りうるものはいくつか考えられ、ウクライナのNATO加盟とかでなくゼレンスキー自身の延命かもしれないが、要点はそこでない。
ルビオ国務長官によると、希土類の協定はすでに話がついており、ゼレンスキーが訪米しなくても調印できた。訪米したいと言ってきたのはゼレンスキーの方だという。希土類話の詐欺性から考えて、ありそうな話だ。
ゼレンスキーは、トランプの強欲性を引っ張って、希土類利権を渡す代わりに最後の交渉をして〇〇を得ようと思って米大統領府に来た。トランプは、その会合をマスコミ公開の口論大会に変質させ、米国がウクライナ支援をやめる状況を作り出した。トランプは、ゼレンスキーとの騙し合いに勝った。

https://revolver.news/2025/03/rubio-response-zelensky/
Rubio delivers the most insightful 'America First' response to Zelensky

米諜報界英国系の機関であるNATOのルッテ事務総長は、ゼレンスキーはトランプと仲直りすべきだと言っている。これが英仏独のエリート(英傀儡)たちの希望だろう。英国系は、米国が欧州を率いてロシアと対立する冷戦構造を永続したい。だが、ゼレンスキーは謝罪しないと言っている(今のところ)。

https://www.rt.com/news/613580-nato-chief-urges-zelensky-to-mend-ties-with-trump/NATO chief urges Zelensky to make peace with Trump

トランプと喧嘩して追い出されたゼレンスキーは、親露なトランプに謝罪するのでなく、露敵視をつ続ける英仏(独)に頼って対露戦争を続けようとしている。トランプに謝罪したら、ロシアと和解せざるを得なくなり、ゼレンスキー自身の政治生命が終わりになる。だから謝罪しない。
ゼレンスキーは、代わりに3月2日にロンドンに行き、英仏首脳とのサミットに出た。英仏はゼレンスキーに、ロシアとの和平交渉を約束させるとともに、もし露軍がウクライナに攻めてきたら英仏軍が戦ってウクライナを守ると約束させた。

https://responsiblestatecraft.org/uk-france-ukraine-meeting/The Flimsy UK, France, Ukraine 'Peace Plan' Discussed Sunday

ゼレンスキーがロシアと交渉して和平が実現するなら、英仏はロシアと直接交戦しなくてすむ。たがもしゼレンスキーがロシアと交渉するふりだけして交渉を破談させたら、英仏がウクライナで露軍と戦争せねばならなくなる。
2月28日にゼレンスキーがトランプと喧嘩してしまったので、ゼレンスキーがトランプの支持を受けつつプーチンと交渉して停戦和平する展開はなくなった。ウクライナ停戦の可能性が低下している。

https://tass.com/world/1921041
Trump’s entire team supports halting talks with Zelensky

ロシア政府は「ウクライナにNATO加盟国(英仏など)の軍隊が来るなら、それはウクライナがNATO加盟したのと同じことになるので、ロシアとしてウクライナ停戦できない。ロシアは自衛権の行使として、ウクライナにいるNATO加盟国(英仏)の軍隊を破壊する戦争を続けざるを得ない」と言っている。
英仏は、ウクライナに派兵すると決めた時点でウクライナ停戦交渉を潰している。英仏の派兵は、ウクライナを平和にするためでなく、ロシアと戦争(第三次世界大戦)するためのものになる。
これは英仏の意図に反している。英仏はロシアと戦争したくない(ロシアの脅威を煽りたいだけ)。英仏は、ウクライナ派兵案を寸止めし、最終的に放棄する。それ以外の道はない。
これは、トランプがこっそり望んでいるシナリオでもある。トランプは、ウクライナを英仏に押しつけ、英仏をロシアと戦争せざるを得ない立場に追い込みたい。英仏はロシアと戦争しない。力関係上、できない。英仏の国際信用が急落する。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/trump-meets-zelensky-says-minerals-deal-be-signed-today-will-use-ukraine-rare-earths
Ukrainian Officials "Desperate" To Get Deal Back On Track After Oval Office Meltdown, Trump Not Interested

ロシアは、ウクライナ戦争の構造が長引くほど、中露など非米側の結束が強まり、(トランプがやっているように)米覇権が解体し、欧州が弱体化するので好都合だ。トランプとプーチンは、裏で組み、米露の利益になるよう、英仏ゼレンスキーを追い込んでいる。
(単独覇権よりも米州主義の方が米国の利益になる。単独覇権の方が良いんだと言っている日本のマスコミや専門家は英傀儡で売国な大馬鹿。早く廃業すべき)

https://amgreatness.com/2025/03/01/trump-vance-and-the-new-new-world-order/
Trump, Vance, & The New New World Order

米国はトランプになって覇権放棄を急速に達成している。米国が抜けた後の米覇権(リベラル世界秩序)は、そのまま消失するのでなく、英仏が背負う。そして、背負い切れずに崩壊する。
米国が英仏を率いたまま(単独覇権を背負ったまま)ロシアと和解すると、英国系(諜報界)が米国の外交策をねじ曲げて対露和解を破壊して米露対立に引き戻して失敗させる。だからトランプは、先に米国だけが英仏を入れずにロシアと交渉開始して米露和解して、事実上米国覇権から離脱した。米国は非米化した。
米国が抜けた後の米覇権は無力だ。ゼレンスキーや英仏は、右往左往するばかりだ。ゼレンスキーの前後に、仏マクロンや英スターマーが相次いで訪米してトランプと会った。英仏は、停戦を前提に平和維持軍をウクライナに派兵するから、米国も資金、諜報、兵器、兵力などの面で助けてくれと頼みに来た。トランプは、ほとんど断っている。

https://responsiblestatecraft.org/uk-france-ukraine-meeting/
The Flimsy UK, France, Ukraine 'Peace Plan' Discussed Sunday

書き散らかした。とりあえずここまでで、このまま配信する。

この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/250304zelnsk.htm

△△△ 引用終了 △△△



◆ トランプ/ゼレンスキー会談パロディー版

本質が見えているのでパロディが書ける?

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽   

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和七年(2025年)3月7日(金曜日)
         通巻第8683号 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之聲
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(読者の声3)トランプ/ゼレンスキー会談パロディー
Trump Zelensky PARODY ─ YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=P18Af05W9FI&t=145s
 Mr. Reagan が創作した2月28日のトランプ/ゼレンスキー会談パロディーです。創作のパロディですから決して信じないで下さい。内容も少し下品な部分もあります。
少し笑ってみなさんの頭が解れれば良いのですが。セリフと口の動きがここまで合わせられるとは。もう映像を鵜呑みにしてはいけない時代になりましたね。( )は老生の訳者注です。

トランプ:あれはあなたのものだったのかい? あの小さなバッグ(7月13日の暗殺未遂現場に残されていた小さなバッグ)はハンター・バイデンのものだと思っていたんだよ。シークレットサービスがどこかに保管していると思うよ。
ゼレンスキー:私はカネをずーっと盗んできたんです。
トランプ:何だって?
ゼレンスキー:正直に言わねばなりませんね。私はアメリカからウクライナへの支援金をたくさん盗んだのです。何百万ドルもです。ウクライナのオリガルヒもアメリカの官僚達もみんなやってきたことです。
トランプ:それは知っているけど何故俺にそのことを言うのだ?
ゼレンスキー:だってトランプ大統領、もしあなたが停戦を実現すればもうカネを盗めなくなるじゃないですか。だから我々は戦争を継続する必要があるのです。
トランプ:いいや、戦争は終わりにせねばならない。あなたの国の人々は死に続けているのだよ。
ゼレンスキー:だけど私はもっとカネを盗み続けたい。あなたは何がお望みですか?(卑猥につき中略)
トランプ:もういい。そう言うことは皆の前で言うことじゃない(oversharing)。良いかい、あなたは私が欲しいものは何も持っていないのだ。この戦争を継続すべきだと私を説得する材料は何一つ示せていない。あなたはカードは何一つ持っていないのだ。
ゼレンスキー:私はカードゲームはやらないのです。
トランプ:文字通りのカードゲームをあなたがしていないのはわかっている。これは例え話だ。私は4次元チェスをやっており、あなたはチェッカーゲーム(2次元)をやっている。(中略)
ゼレンスキー:聞いて下さい、トランプさん。私は俳優/コメディアンです。私は人々の気を引くことが仕事なのです。戦争が始まった最初の頃から私は皆に持て囃されてきました。バイデン大統領からもハリウッドからも。戦争が終わればもう誰も私のことなど気にしなくなります。賛美もされなくなります。恐れながら大統領に申し上げます。この戦争は続ける必要があるのです。永遠にです。
トランプ:良いですか、もしあなたが停戦に合意すれば我々は「フレンズ」をリメークし、あなたはウクライナのチャンドラー・ビング(喜劇フレンズの中の役名)を演じられるよ。どうだろう?
ゼレンスキー:私は「フレンズ」は大好きです。私はモニカ(ルインスキー)の役が上手にできます。
(以下も卑猥につき省略)(終わり)
(費府の飛行士)

△△△ 引用終了 △△△


◆ トランプによる露骨なロシア寄り姿勢の政治的意図

国家指導者と軍部の分断作戦の一環?

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

https://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/abfe2c6ba25f0f92d6bcc99dc491db79

米中首脳会談の情報が、米中外交筋の話として報じられはじめた。習近平は、トランプと仲良くしているところを国内外に見せておきたい。そうすることで習近平は、中国軍部を抑えることができる

△△△ 引用終了 △△△


◆ 二つの選択肢 トランプ和平か領土回復まで戦争継続か

保守はトランプ和平支持、左翼は好戦的なゼレンスキー絶賛?

保守層はトランプと協調しロシア北朝鮮を支持。反日極左テロパヨクはウクライナ支持。明確になったな
http://kimsoku.com/archives/10860150.html

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