租税特別措置・補助金の適正化に向けた提案 25回目

本稿は、先に内閣官房から提案提出の呼びかけあった「行政事業レビュー見える化サイト」(計2276件)の52頁を精査した結果、4件の環境省案件について、歳出削減、天下りに係わる取扱い厳格化目的で提案することを目的としている。



行政事業レビュー見える化サイト 52頁
https://rssystem.go.jp/project?implementationMethods=subsidy,burden,grant,contribution&categories=continuation&page=52


■環境省 独立行政法人環境再生保全機構運営費交付金 役員および天下りに係わる費用を区分し明確化すべき

・独立行政法人環境再生保全機構運営費交付金 004998

事業の目的
公害、石綿健康被害、廃棄物処理等、社会問題化した環境に係る諸課題に対して、国民の健康で文化的な生活を確保する役割を担うとともに、民間団体が行う環境の保全に関する活動の支援や環境政策に資する研究・技術開発の推進等による、持続可能な循環共生型社会の実現を目指す役割を一体的に担うことにより、我が国が直面する環境、経済、社会に関わる複合的な危機や課題の解決に寄与する事を目的として定められた中期目標を達成するため、自らが策定した中期計画に基づき事業を行う。
現状・課題
独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)は、その前身となる機関も含め昭和40年代から環境政策の実施機関として事業に取り組んできたことによる豊富な経験やノウハウ、評価分析データ等を蓄積しており、業務を適正かつ着実に遂行することにより、ステークホルダーからの信頼を獲得している一方で、これからの環境政策は環境保全と経済・社会的課題との同時解決を図りつつ、新たなマーケット創出の牽引役となっていくことが重要であるため、環境の保全に関する研究及び技術開発等の分野において、経済を踏まえた環境政策の実現を目指していく必要がある。
事業の概要
独立行政法人環境再生保全機構が行う業務(※)のうち、下記①、③、④、⑤、⑦、⑧の業務に必要な人件費等の事務費、③の助成事業費及び⑦の研究・技術開発事業費に関する費用等の一部に相当する額を運営費交付金として交付する。

(※)独立行政法人環境再生保全機構が行う業務
①公害により健康被害を受けられた方々への補償
②公害による健康被害の発生を未然に防ぐための予防事業
③開発途上地域や日本国内で環境保全に取り組む民間団体が国内外で行う環境保全活動への助成、人材育成・情報提供
④有害なポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の処理の円滑な実施のための支援
⑤廃棄物処理最終処分場を維持管理するための積立金の管理
⑥中皮腫などの石綿(アスベスト)による健康被害を受けられた方々への医療費などの給付等
⑦他の研究機関の活用による環境の保全に関する研究及び技術の開発
⑧熱中症対策に係る情報提供及び地方公共団体等への支援
⑨債権の管理・回収事業
事業概要URL
https://www.erca.go.jp/erca/guide/guide/hosyo.html

22年度 6,871,445千円
23年度 8,298,318千円
24年度 7,034,608千円
25年度 7,488,845千円

(役員および天下りに係わる費用を区分し明確化すべきと考える理由)
・交付金に係わる使途不明金ゼロ実現
・一定規模以上の交付金等受給団体について、会計検査院検査対象とすべき
・独立行政法人天下り役員について、専用車、専用運転手、秘書、交際費、海外出張等に係わる費用支出等制限すべき
・上記に伴い、独立行政法人の役員支出費用について、一般管理費とは別に、人件費、交通費等情報公開を義務づけるべき
・天下りによる、中央省庁等に対する、補助金新設や補助金等受給の陳情活動等禁止すべき


■環境省 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業) 廃止

・工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業) 005005

事業の目的
本事業は、意欲的な目標を盛り込んだCO2削減計画を策定した事業者に対して、高効率機器の導入や運用改善、電化・燃料転換を支援することで、工場・事業場における脱炭素化のロールモデルとなる取組を創出し、2050 年カーボンニュートラル及び 2030 年度 46 %削減目標の達成に資することを目的とする。
なお、SHIFT事業とはSupport for High-efficiency Installations for Facilities with Targetsの略称である。
現状・課題
「地球温暖化対策計画」(令和3年10月閣議決定)において、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減する目標を掲げており、エネルギー起源CO2について、産業部門では38%の削減、業務その他部門では51%の削減を必要としている。

2022年度のCO2排出量(「2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について」参照)は2013年度比で、産業部門で24.0%の削減、業務その他部門では23.6%の削減となっている。また、製造業の設備投資の目的として老朽設備の更新が6割である一方、脱炭素に関する投資は1割を満たさない状況である(経済産業省・厚生労働省・文部科学省2023年版ものづくり白書(令和5年6月))。前述の削減目標の到達には設備更新に合わせた脱炭素設備の導入促進を図ることが重要であり(令和6年度工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)に係る制度運営支援委託業務報告書)、そのためには、工場・事業場の脱炭素化のロールモデルを多く創出し、脱炭素化の好事例の横展開を図る必要がある。
事業の概要
本事業では工場・事業場の脱炭素化のロールモデルを多く創出し、脱炭素化の好事例の横展開を図ることを目的に、民間事業者・団体に対して補助を行う。具体的には以下の①~④のとおり。
①CO2削減計画策定支援:中小企業等に対して「CO2削減計画」の策定を支援。
②省CO2型設備更新支援:以下のCO2削減計画に基づく設備更新を補助。
 A.標準事業:工場・事業場またはシステム系統で一定の割合以上のCO2を削減する計画に対する設備更新を補助
 B.大規模電化・燃料転換事業:大規模な電化・燃料転換を伴う設備更新を補助
 C.中小企業事業:CO2削減量比例型の設備更新補助【令和4年度補正予算からの事業】
③企業間連携先進モデル支援:サプライチェーンを構成する複数サプライヤーを対象とした設備更新を補助【令和5年度からの事業】
④委託:②のA.B事業において補助対象事業者を排出量取引制度に登録し、目標達成状況を管理する。また、①②の先導的取組を分析し横展開を図る。
事業概要URL
https://www.env.go.jp/content/000156349.pdf

22年度  8,037,000千円
23年度  12,051,000千円
24年度 9,538,485千円
25年度 484,374千円

(廃止とすべき理由)
・国家経済的メリットが不明


■環境省 脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業 廃止

・脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業 005008

事業の目的
2050年カーボンニュートラル、2030年度における温室効果ガス46%削減目標の実現に向けて、浄化槽分野における脱炭素化の推進のため、エネルギー効率の低い既設の中大型浄化槽について、最新型の高効率機器(高効率ブロワ等)への改修、先進的省エネ型浄化槽への交換、再生可能エネルギーを活用した浄化槽システムの導入を推進することにより、大幅なCO2削減を図る。
現状・課題
現状で、家庭用の小型合併処理浄化槽については、高効率ブロワ等の開発が進み省エネ化が推進されており、小型合併処理浄化槽の全出荷基数中の約9割は先進的省エネ型浄化槽となっている(「令和6年度次世代浄化槽システムに関する調査検討業務報告書」(環境省調査業務)参照)。一方で、集合住宅、店舗、医療施設等に設置されている中大型合併処理浄化槽については省エネ化の対応が遅れている。中大型合併処理浄化槽の全出荷基数中の先進的省エネ型浄化槽の占める割合は約2割にとどまっており、導入促進を図る必要がある。また、ブロアなどは一定程度損耗しているが、浄化槽本体が良好な状態のものなど、先進的省エネ浄化槽の交換まではする必要がないものなどもあり、それらについては、高効率機器の改修もあわせて促進する必要がある。
事業の概要
中大型浄化槽について、最新型の高効率機器への改修、先進的省エネ型浄化槽への交換、再エネ設備の導入を行うことにより大幅なCO2削減を図る事業を支援する。
①既設の中大型合併処理浄化槽に係る高効率機器への改修
・最新型の高効率機器(高効率ブロワ等)への改修とともにブロワ稼働時間を効率的に削減可能なインバータ及びタイマー等の設置を要件とする。
・改修によって当該機器のCO2排出量を20%以上削減(③の再エネ設備導入によるCO2排出量の削減を含む)
②既設の中大型合併処理浄化槽から先進的省エネ型浄化槽への交換
・最新の省エネ技術による先進的省エネ型浄化槽への交換を要件とする。
・交換によって既設浄化槽のCO2排出量を46%以上削減(③の再エネ設備導入によるCO2排出量の削減を含む)
※さらに、規模見直し等により高い削減率を達成するものは優先採択
③中大型合併処理浄化槽への再エネ設備の導入
・上記①又は②と併せて行う再エネ設備(太陽光発電・蓄電池等)の導入を支援する
事業概要URL
https://www.env.go.jp/content/000248521.pdf

22年度 1,800,000千円
23年度 2,927,551千円
24年度 2,934,000千円
25年度 3,107,178千円

(廃止とすべき理由)
・国家経済的メリットが不明



■環境省 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(一部 国土交通省、農林水産省連携事業) 廃止

・地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(一部 国土交通省、農林水産省連携事業) 005019

事業の目的
地域に根差し、かつ、分野やステークホルダーの垣根を越えて脱炭素社会の実現に資するセクター横断的な地域共創の技術開発・実証を推進することで、2050年カーボンニュートラル、2030年度46%削減目標の実現につながる、既存の社会インフラの刷新も含めた社会実装に繋がる技術の創出及び脱炭素かつ持続可能で強靱な活力ある地域社会の構築を目指す。
現状・課題
早期の脱炭素社会の実現に向けては、あらゆる分野でさらなるCO2削減が可能なイノベーションを創出し、早期に社会実装することが必要不可欠である。一方で、CO2排出削減に貢献する技術開発は、開発リスクが大きく、収益性が不確実で、民間の自主的な技術開発に委ねるだけでは、必要なCO2排出削減に貢献する技術の開発が必ずしも十分に進まない状況である。このためには、「地球温暖化対策計画」やパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略に示されているように、地域特性を踏まえた革新的な技術開発・実証を推進することで、地域循環経済を促し、地域課題を解決した強靱で活力ある地域脱炭素社会を構築することが必要である。
事業の概要
①地方公共団体・関係省庁等と連携した地域脱炭素化に向けたセクター横断型脱炭素技術の開発・実証
②各分野におけるCO2削減効果が相対的に大きいものの、開発リスク等の問題から、地方自治体や民間の自主的な取組だけでは十分には進まない技術を対象としたシーズ・ボトムアップ型の技術開発・実証
③2030年度目標等の達成に資する新規産業の創出・成長を目的として、創造的・革新的な技術を有するスタートアップ企業を支援対象とする技術開発・実証
上記3つの取組とともに、事業開始前から事業終了後 に至るまで事業者の伴走型支援や評価・フォローアップ等の側面支援を実施することにより、技術開発・実証成果の実用化や普及の成功率の向上を図る。
事業概要URL
https://www.env.go.jp/content/000248536.pdf

22年度 5,000,000千円
23年度 5,844,002千円
24年度 7,371,616千円
25年度 7,338,038千円

(廃止とすべき理由)
・国家経済的メリットが不明

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