漢学の没落?

漢籍典拠で候補となり今回ボツとなった元号案については、元号案は本来的に厳秘とされるべき性格上、今後も不採用となる可能性が高い。



すなわち、今回の国書に基づく元号選定の経緯などから、戦後学界の一翼を担ってきた日本学士院の勢力図が変わる大事件だった可能性がある。




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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190328/k10011862781000.html

元号の考案とは、どのように進められるのか。
政府は「元号選定手続」で、以下のようにその手順を定めている。

(1)総理大臣は、高い識見を有する者を選び、次の元号にふさわしい候補名の考案を委嘱する。
(2)委嘱する考案者の数は若干名とする。
(3)総理大臣は、各考案者に対し、おおよそ2ないし5の候補名の提出を求める。
(4)考案者は、候補名の提出にあたり、各候補名の意味、典拠(出典)などの説明を付する。

こうして「若干名」の考案者たちから提出された候補名は、官房長官が検討・整理したうえで総理大臣に報告し、「原案」としてさらに数個に絞り込まれる。

その後、各界の有識者らからなる「元号に関する懇談会」や衆参両院の正副議長からの意見聴取、全閣僚会議での協議を経て、閣議で元号を改める政令として決定され、発表に至る。

ただし、こうした手続きは、いわば決定直前の「表向き」の段取りだ。

政府は、平成への改元直後から、万一の事態にも対応できるよう、秘密裏に複数の専門家に新元号の考案を依頼している。政府関係者によると、この間に受け取った候補名は、100はいかないまでも数十に上るといい、先月末の段階で、十数個に絞られていた。

こうした中で、3月24日、菅官房長官は10日前の3月14日に新元号の考案を専門家に正式に委嘱したことを明らかにした。
菅官房長官の発言は、十数案からの絞り込みが進み、残った候補名の考案者に対して、正式に考案を依頼する手続きを行ったことを意味し、選定作業が最終段階に至りつつあることを示すものだ。
考案者の“共通項”
「平成」の発表から、30年余り。政府はいまだ、その考案者を公表していない。
その理由について、政府関係者は言う。
「公表すると、元号と人(考案者)が結び付いてしまう。両者が一致してしまっては、その人や親族に迷惑がかかる。たとえ亡くなっていたとしてもだ。だから改元から30年余りがたった今でさえ公表は早い。選定から漏れた原案や考案者を明らかにしないのも、大変な苦労をかけたうえに迷惑をかけることを避けるためだ」

平成への改元で、「原案」として各界の有識者らに示されたのは、「平成」のほか、「修文」「正化」の合わせて3つ。元号の選定に携わってきた政府関係者によると、考案に関わる資料は、ほとんどなく、これら「原案」と考案者とを結び付ける文書も残されていないという。

ただ当時、元号の選定に深く関わっていた的場順三・内閣内政審議室長(当時)は、これまでの取材に対し、「平成」は、東洋史が専門の山本達郎・東京大学名誉教授が、
「修文」は、中国文学が専門の目加田誠・九州大学名誉教授が、
そして「正化」は、中国哲学が専門の宇野精一・東京大学名誉教授が、それぞれ提出したものだと明らかにしている。
いずれもすでに故人だ。共通するのは、中国を中心とした東洋思想や歴史、そして漢文で書かれた中国古典に精通していることだ。

当時、すでに山本氏はその功績により文化功労者に選ばれており、目加田氏、宇野氏は、いずれも昭和40年代に中国文学や哲学の研究者でつくる「日本中国学会」の理事長を務めた経験を有していた。言わば、その道の大家、いわゆる泰斗だ。
「日本学士院」も共通項
もう1つ、このうち山本氏と目加田氏に共通していたことがある。
「日本学士院」の会員だったという点だ。
日本学士院は、国が法律に基づいて学術上の功績顕著な研究者を優遇するための機関だ。会員になれるのは、日本の学術界から選ばれた150人だけ。「文学・史学・哲学」の分野の定員はわずか30人。会員に選ばれると特別職の国家公務員となり、国からは年金が支給される。身分は終身だ。

的場氏は、考案者を選ぶうえでの考え方を語っている。
「大学の先生方の世界でもジェラシーがあるわけで、『なぜあいつで、俺じゃないのか』と言われたら困る。最低限でも日本学士院の会員であること。そして文化功労者や文化勲章の受章者であること。それに匹敵する著名な人という感じだ」

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「文学、史学、哲学」の分野の学界において、少なくとも、(文系学科の)序列変更が起きるくらいの、大事件だったのではないか?


以上

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